ブログ副管理人の社畜サポーターです!
先日、日本のワクチン接種状況を踏まえ、2022年ゴールデンウィークには海外旅行が本格解禁になるのではないか、という分析をしました。
それから2カ月が経過しましたが、ワクチン接種のスピードは当初の見立てよりかなりのハイペースです!“一日100万回は理想的だけど厳しいかも、80万回くらいいけば上出来では?”とした私の予想を良い意味で裏切り、120万回以上の凄いスピードで接種が進行しています。
そして、先日の国会で行われた党首討論で、菅首相が“11月までに希望者への接種完了”と発言しました。これは、額面通りに受け取れば、“7月末までに高齢者への接種完了”と同様の接種目標でありますが、その背景には、コロナ禍を脱した後の規制緩和をどのタイミングから始めるか、という政府の目標が見え隠れしています。
本記事では、日本の現状や菅首相の発言から、海外渡航の自由化、国内旅行の需要喚起政策の再開などのタイミングについて考察してみようと思います!
Contents
日本の現状について整理
まずは日本における国内・海外旅行の現状について、整理してみようと思います。
海外旅行
海外旅行は、先日の記事で分析した通りです。
現状を一言でまとめると、”隔離なく入国できる国はあるが、帰国時の14日間隔離がネックになるため行けない”ということになります。これがクリアになるためには、
- 日本国内でワクチン接種率が7~8割に達する
- 渡航先は有効なワクチン接種が進んでいる or 感染者数が抑制されている
- ワクチン接種済みの日本国民は帰国時の隔離免除
以上の3条件を満たせば自由に渡航できる可能性が高まります。
国内旅行
国内旅行は、旅行すること自体を制限されている訳ではありません。是非はともかくとして、旅行することはできます。
一方、昨年行われていた旅行業界等への需要喚起策である”Go To キャンペーン”は、昨年末からの感染者数増加を受けて停止されています。再開時期はアナウンスされていません。その代替として、都道府県を跨がない旅行に対する補助は12月まで行われる予定です。
Go To トラベル再開はいつ? キャンペーン延長は? 割引・補助金施策最新情報(随時更新)
国としては当然移動の自由はあるので旅行を禁止することはしていませんが、Go Toキャンペーンを行っていた時のように、需要喚起のために積極的に推奨する姿勢ではないことは間違いなさそうです。
今後の見通しは?
昨年までの政府の考え方
コロナ禍の出口としてのワクチンの効果がはっきりしていなかった昨年までは、日本政府の考え方としては、“経済のアクセルとブレーキを状況に応じて使い分ける“という所であったのだろうと推測します。感染者が減ったら需要喚起策を打ち、増えたらストップして感染者を減らす・・・という感じです。もちろん、海外には行けません。
今の政府の考え方
一方、今はワクチンが出口戦略として確実なものであることが分かっているので、恐らく、【ワクチン接種が進むまでは我慢してブレーキは踏みっぱなし】となるでしょう。その間にワクチンを打ちまくり、少しでも早くアクセル全開にできるようにする、というのが基本的な考え方のように思います。
諸々の規制緩和は12月1日?
そのアクセル全開のタイミングがいつになるのか、という点ですが、【11月までに希望者への接種完了】という首相の発言から推測すると、12月頭から行われるのではないか?と考えられます。
この根拠ですが、例えば、今後の海外旅行に必要となるであろうワクチンパスポートが、8月にも運用開始になるのでは?というニュースが先日ありました。
どこかのタイミングで、このワクチンパスポートを使い自由に渡航できる国が設定されるはずです。その運用が仮に9月から開始される、ということになると、その時点で希望しているのに打てていない人は旅行機会の格差が生じてしまうことになります。
ワクチン接種途中での規制緩和は、少しでも早くワクチンを行き渡らせることを”不公平””ずるい”という感情で阻害してしまうものになるので、希望者に行き渡ったタイミングで一気に解除となるのではないかと思います。
規制緩和の内容は?
それでは、【希望者への接種完了】の後に行われる規制緩和の内容を予想してみます。
国内旅行
- 都道府県を跨いだ移動自粛要請の解除
- Go Toキャンペーン再開
国内移動については自粛要請のみで規制がかかっているわけではありませんが、前述した通り、Go Toキャンペーン等の需要喚起策は停止されています。これを踏まえ、希望者への接種が完了したのち、こういった需要喚起策が再開されるのではないかと考えられます。
Go Toキャンペーンについては、Yahoo!トラベルや楽天トラベルをはじめとした各予約サイトにおいて、再開決定前から入っていた予約にも割引が適用されることがアナウンスされています。
GoToトラベル再開前に予約できるサイト一覧!後からGoTo割引で予約取直し不要
海外旅行
予想される緩和内容
海外旅行については、
- 特定の渡航先からの帰国時に、ワクチン接種完了者は隔離要請免除
という形になるのではないかと思います。完全自由化ではなく、帰国時の制限が撤廃される渡航先は限られるでしょう。その渡航先は、先日の記事で予想した場所が候補としては可能性が高いのではないかと思います。
もう少し詳しく現在の状況を整理してみましょう。
現在,いくつかの国ではワクチン接種完了者の入国時隔離免除が開始されています。身近なところだと、タイがプーケット限定で観光客受け入れを開始したことが挙げられます。
また、スペインも日本からの入国制限を解除しました。
スペインが日本からの入国制限解除、安全国以外もワクチン接種済み観光客受け入れへ
これらのニュースを見ると一見もうすぐ行けるように見えてしまいます。しかし、両国ともに変異株蔓延による水際対策強化の対象国に指定されており、帰国時には通常よりもより厳しい隔離要請が課されることになっています。帰国時の制限が残る可能性が高いのです。
新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について(外務省HP)
一方、感染者数が低く抑えられている台湾やシンガポール、オーストラリアなどは一時的に変異株の侵入を許したものの、世界の平均と比較するとその水準は極めて低く、安全性は相変わらず高いと言えます。当然、上記のリストにも載っていません。
しかし、これらの国々は水際対策を厳しく行う国であり、現地に入国する際の制限はなかなか緩和してもらえないでしょう。
まとめると、
- 感染者がいても正常化を優先して入国制限を緩和した渡航先⇒日本への帰国時に制限あり
- 正常化よりも感染対策を優先している渡航先⇒現地への入国時に制限あり
の2パターンに分類されます。“感染者数が少ない”かつ“入国制限を緩和”した国は見当たらないんですよね・・・
日本政府のワクチンパスポート運用方法がポイント
このような状況の中で、間もなく導入されるであろうワクチンパスポートの運用法が注目されます。
- ワクチン接種済み日本国民の渡航先をどこまで自由化するか(帰国時隔離免除)
- ワクチン接種済み日本国民の渡航先での入国制限を交渉でどこまで緩和してもらうか(現地入国時隔離免除)
の2点をどう対応するのか、ということです。
これまでの世論、およびそれに対する政府の考え方を見ると、①をすぐに拡大することは考えにくいと予想します。いくらワクチン接種済みといえども、感染が広がる国へ渡航した場合は日本帰国時への何かしらの対応は残る可能性はそれなりにあるでしょう。
むしろ、②で厳しい入国制限により国内感染者を低く抑えている国に対して交渉し、ワクチン接種済みの日本国民と、向こうの国民(ワクチン接種or陰性証明提出が条件)を相互に隔離無しで自由往来可能とする、一種のトラベルバブル的な枠組みを構築する方が双方にとって良い(日本にとっても、感染しているリスクの低い外国人観光客を受け入れられる)取り組みであると思われます。
実際、厚労省が作成した自治体向けのワクチンパスポート説明資料P16には、
【当面は、諸外国への入国時の防疫措置の緩和等のため、諸外国にワクチン接種証明書の提示を求められた場合に提示するものとしての利用を想定】
【我が国が発行する接種証明書を受入れ、防疫措置等を緩和してもらうべく、各国の接種証明書及び制限緩和措置に関する情報収集等を行っているところです】
という形で明記されています。
このことからも、一見行けそうに見える”経済再開を優先して入国制限を撤廃したコロナ流行国”よりも”入国制限が厳しいコロナ抑制国”の方が、実はワクチンパスポートによって制限なく渡航できる可能性が高いのではないかと思います!
まとめ
本記事では、今年の年末年始にはあると思われる国内・海外の旅行規制の緩和内容について予想してみました!
緊急事態宣言やオリンピック無観客など、なかなか暗いニュースが続いていますが、ワクチン接種の進展に伴い、日本でもコロナ禍の出口はもうそこまで来ています!期待して待ちましょう!